マデイラワインについて

マデイラワインとは、ポルトガル領のマデイラ島で造られてい酒精強化ワインであり、シェリーやポートワインと並んで、世界3大酒精強化ワインの1つに数えらていれる。

実は日本は世界有数のマデイラワインの消費量を誇っているがその大半は料理酒であり、飲んで楽しむワインとしてはあまり認知されていない

しかしながら、約600年前に偶然の産物として生まれた”奇跡のワイン”「マデイラワイン」は、飲んだ人を虜にする魅力がある。その魅力を少しでもワイン好きな方やお酒を好む方々に知ってほしい”想い”から当店は成り立っている。

マデイラワインの歴史

マデイラワインが”奇跡のワイン”といわれるのは、誕生までに様々な偶然が重なって生まれたためである。
今から約600年前、大航海時代であったヨーロッパから、アメリカ新大陸やインド、アジアに向かう航路の中継地としてマデイラ島は発展した。水やワイン、食料を補充して大航海へ旅立って行った。

しかし酸化に弱いワインは長い航海中に劣化してしまう中で、マデイラ島のワインだけは赤道下の高い気温と長い航海の中でなぜか熟成し、それがアメリカ大陸で好評となり、乾杯のワインとして多くの人に愛されるようになった

時は流れ、18世紀後半、アメリカ独立戦争の影響、スペインとフランスの争いにより、ジブラルタル海峡が封鎖されてしまったことにより、マデイラ島では山のようにワインが余ってしまった。そこで目の前にある山のようなワインをなんとかすべく、ワインを蒸留してブランデーのようなものを作り再度ワインに加えてしまった。アルコール度数が上がったことで長持ちするようになり、より深い味わいを持つ、香り高いワインが誕生した。これが酒精強化ワインとしてのマデイラワインの始まりである。

このようにマデイラワインとは、意図して作られたのではなく、時代の流れの中で様々な偶然から生まれた、まさに”奇跡のワイン”なのである。

製造方法

①ブドウの収穫

マデイラワインに使用されるブドウには{ティンタ・ネグラ、セルシアル、ヴェルデーリョ、ブアル、マルヴァジア、テランテス、バスタルド}などがあり、品種によって味わいが異なる。

②徐梗・硫砕・プレス

いらない部分の除去やプレスにより、ブドウの果汁のみを取り出す。

③発酵・酒精強化

果汁を発酵後酒精強化(アルコールを添加)する

この発酵時間によりマデイラワインの味わい{甘口・中甘口・中辛口・辛口2}に分けられる

④加熱熟成

加熱方法には、エストゥファ(人口加熱)と、カンテイロ(自然加熱)

があり、酸化・熟発させることにより、ワインの糖度や酸度、アルコール度数が上がり、成分を凝縮させる

⑤熟成

主に木樽で熟成され、最低3年から、長いものでは約200年間にも渡って行われ、香りと味を熟成させる。

⑥ボトリング

 

※写真はオーナーの鈴木が2015年9月にマデイラ島へマデイラワインの製造を学びに行った際の決死の一コマ